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「1日3匹まで」オホーツク海のサケ釣り新ルール

こんにちは、弁護士の長友隆典です。

2026年7月、北海道のオホーツク海沿岸東部(網走市・斜里町・小清水町)で、秋サケの海岸釣りに関する新たなルールが網走海区漁業調整委員会で正式に決定されました。

これまでも地域独自のルールはありましたが、法的な裏付けがなく「守らない人がいる」ことが課題となっていました。

このサケ釣りの新しいルールは、網走海区漁業調整委員会から「海区委員会指示」という形で決定されたのですが、今回はこの「海区委員会指示」という制度と罰則の内容について解説します。

「お願い」から「法的拘束力」へ

「海区委員会指示」とは、都道府県に置かれる海区漁業調整委員会が、水産資源の保護や漁業調整のために出す指示のことです。漁業法120条に規定されています。

多くの都道府県では漁業調整委員会は1つ置かれますが、異なった海域に面している都道府県などは複数の漁業調整員会があります。そして、北海道の場合は面積が他の都道府県よりも大きいことや、太平洋、日本海、オホーツク海など複数の海域に面していこともあり10の漁業調整委員会が設置されています。

第百二十条
海区漁業調整委員会又は連合海区漁業調整委員会は、水産動植物の繁殖保護を図り、漁業権(第六十条第一項に規定する漁業権をいう。以下同じ。)又は入漁権(同条第七項に規定する入漁権をいう。次条第一項において同じ。)の行使を適切にし、漁場の使用に関する紛争の防止又は解決を図り、その他漁業調整のために必要があると認めるときは、関係者に対し、水産動植物の採捕に関する制限又は禁止、漁業者の数に関する制限、漁場の使用に関する制限その他必要な指示をすることができる。

漁業法120条|e-Gov

これまでの自主ルールと違い、法律(漁業法)に基づく指示であるため、違反した場合に罰則の対象となり得る点が大きな違いです。

罰則の内容は、1年以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となり、決して軽いものではありません。

第百九十三条
第百二十条第十一項(第百二十一条第四項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反したときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

漁業法193条(罰則)|e-Gov

サケ釣りは「1人3匹・竿3本」まで

網走市・斜里町・小清水町の沿岸部では、これまでも釣果制限などの地域ルールが導入されていましたが、今回はこれに法的な裏付けが加わる形になります。

  • 対象魚種:サケ
  • 規制期間:9月1日〜11月30日
  • 釣果制限:1人1日あたり3匹まで
  • 使用できる釣り竿:1人3本まで

悪質な違反があった場合は、漁業法に基づき罰則の対象となる可能性があります。

サケの減少と釣り人の集中が招いた規制

背景には、秋サケの来遊数が北海道全体で減少傾向にあるという事情があります。

一方でオホーツク東部海域は比較的影響が少なく、遊漁者(レジャーで釣りをする人)が集中しやすい状況にありました。

資源を守りながら、これからも釣りを楽しめる環境を維持するためには、こうしたルールづくりが欠かせません。

こちらの記事もぜひチェックしてみてください。
秋サケの歴史的不漁ーこれからの漁業のあり方

豊かな海を未来につなぐために

私のライフワークは、「豊かな海や川、湖を残しながら、水産業を発展させていくこと」です。
資源管理のルールは、時に「不便になった」と感じられるかもしれません。

しかし、資源が枯渇してしまえば、漁業も、釣りという文化も続けることができなくなってしまいます。

今回のようなルールづくりの動きは、他の地域・他の魚種にも広がっていく可能性があります。

水産業に携わる企業・団体の皆様にとっても、こうした制度変更の動向を早めに把握しておくことは、今後の事業計画や資源管理の観点からも重要だと考えます。

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▼参考
日本経済新聞「サケ釣り『1日1人3匹』初の法的規制へ オホーツク海沿岸で資源管理」
網走市公式サイト「網走海浜サケ・マス釣りルールについて」

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