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水産庁の取り組み紹介④浜プランとは?


こんにちは、水産庁出身弁護士の長友隆典です。

「浜プラン」という制度をご存じでしょうか。

正式名称は「浜の活力再生プラン」といい、水産庁が2014年(平成26年)に始めた制度で、漁村の活性化と漁業所得の向上を目指した取り組みです。

これまでの記事でも紹介したとおり、漁業者の減少・漁獲量の低下・高齢化など、水産業を取り巻く課題は山積みです。
それでも「自分たちの浜を自分たちで変える」という動きが全国各地で生まれており、その土台となっているのがこの浜プランです。

2026年3月時点で、全国で浜プランに取り組んでいる地区は566箇所にのぼります。

漁業者が主役の計画づくり

浜プランの最大の特徴は、国が一方的に計画を実行するのではなく、漁業者・漁業協同組合・市町村が一体となって自分たちの計画をつくる点にあります。
各地域には「地域水産業再生委員会」が設けられ、現場を一番よく知る漁業者自身が主役となって活動します。


浜プランでは、目標を「漁業所得を5年間で10%以上アップさせること」と明確に掲げ、それを実現するための収入向上・コスト削減の取組や、漁村の活性化につながる幅広い取組について地域のみなさんが整理しプランとしてまとめます。

漁村ごとに事情は異なるため、全国一律ではなく、それぞれの浜の実情に合わせた計画が立てられます。「浜の数だけ課題があり、取り組みがある」というのが浜プランの本質です。

また、プランは策定して終わりではありません。
PDCAサイクルを意識しながら成果を検証し、改善を重ねていくことが求められます。水産庁は優れた取り組みを毎年「浜の活力再生プラン優良事例表彰」として表彰しており、全国の成功事例を横展開する仕組みも整っています。

収入向上とコスト削減、二つのアプローチ

全国の浜で実践されている取り組みは、大きく「収入向上」と「コスト削減」の二つに分かれます。
地域の課題に応じて自由に組み合わせられるのも、この制度の柔軟なところです。


これらを地域の漁業者が自ら考え、継続して実行し続けるところに浜プランの意義があります。
成功例を見ると、漁業者と市町村が粘り強く対話を重ねてきた地域ほど、成果が出やすい傾向があります。

補助金活用と「広域浜プラン」

浜プランには、地域にとって実利的なメリットもあります。
プランを策定した地域は、国の補助事業で優先採択を受けられる仕組みになっているため、設備投資・加工施設の整備・新技術の導入など、補助金を活用したい意向があれば、まずは浜プランへの参加が第一歩になります。

また、一つの浜では解決が難しい広域的な課題に対しては、複数の地域が連携する「広域浜プラン」も用意されています。市場機能を集約したり、流通を効率よく連携したり、地域全体の競争力を高めるための枠組みです。

制度を上手く活かすには

浜プランを活用して収益向上や地域連携を進めるには、複数の漁業者・漁協・企業が協力して動くケースもあります。
その場合、役割分担や利益配分を明確にした契約書の整備、加工・直販に伴う取引契約の見直しなども必要になってきます。

「浜プランをうまく活用して経営を改善したい」「連携先との契約関係を整備したい」といったご相談も、ぜひお気軽にお声がけください。

▼参考サイト
浜プラン.jp:https://hama-p.jp/
水産庁「浜の活力再生プラン」:https://www.jfa.maff.go.jp/j/bousai/hamaplan.html

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