11月も間も無く終わりいよいよ冬本番です。
ここ北海道では新型コロナウィルスの1日当たり感染者数が, 東京の数を超えることもありました。
人口の母数の違いを考えると感染者の割合がかなり多くなっていると感じてしまいます。
今回は北海道の新型コロナウィルスの現状と, GoToトラベル対象からの一次除外などGoto事業の今後について解説します。
新型コロナウィルスの感染者数は一時期落ち着きましたが, 10月以降は感染者数が増えているため, 再びピリピリした雰囲気が感じられます。
事業者の皆さん, 特に飲食業や観光業の皆さんとっては, また厳しい状況になってしまいました。
感染者が急増した一因には, 検査体制が整ったため無症状感染者の感染が発覚するケースが増えたことも挙げられます。
しかし, 急増の原因はそれだけではありません。
人が多く集まって飲食するお店や接待を伴うお店が多い札幌のススキノでは, クラスターが多発しました。
11月の中旬に札幌市がススキノ地区に営業時間や酒類提供時間の短縮の要請を行ないましたが, すでに市中に感染が広がって家庭や職場などにも飛び火したと思われます。
また, 介護施設や老人ホーム, 病院などでもクラスターが発生しています。
同時に政府のGoToトラベルで東京発着が追加された影響もあって, 人の動きが全国的に活発になったことも原因のひとつだとされています。
今年6月に設立された新北海道スタイル推進協議会が提案する「新北海道スタイルが」 今改めて注目されています。
新北海道スタイルとは, 新型コロナの長期化による「新しい生活様式」を北海道で実践するために, ライフスタイルやビジネススタイルの変革を目指すというものです。
具体的には, 店舗の衛生管理・スタッフの健康管理, 定期的な喚起・消毒などの徹底, そしてお客様に対してもしっかり感染対策をするなどです。
この新北海道スタイルを実施している事業所は, 安全宣言を店内に掲示することや新北海道スタイルのロゴマークのステッカーを店頭に貼るなどして「新北海道スタイルの安全宣言に即した感染対策を実施しています!」とアピールすることができます。
新北海道スタイルを実施する事業所は, 市町村のホームページを確認できます。
単に感染を恐れて営業を自粛する, お店に行かないなどして経済の停滞ばかりが進むのではなく, この新北海道スタイルような前向きな対策は非常に良いと思います。
私の事務所でも訪ねてくる方の消毒の徹底, 透明のシートでお客様との間に間仕切りを設置, 換気を徹底するなどを行なっています。
これらの対策が認められて, 新北海道スタイルのステッカーを入り口に貼ったり, 安全宣言や注意書きを相談室に掲示したりしています。
このようなひとつひとつの取り組みが, 感染拡大防止のために大切だと思います。
感染が拡大している札幌市と大阪市について, GoToトラベルの対象から一時除外されました。
法律の面から説明しますと, 正式名称が「サービス産業消費喚起事業」であるGoto事業は, 「サービス産業消費喚起事業給付金の支払の臨時特例に関する政令」を根拠として行われています。
この政令には「申請者が経済産業大臣から指定を受けた者に当該給付金を受領する権限を付与した場合に限り, 当該指定を受けた者に対し, 概算払いをすることができる」とあります。
簡単に言うと, 経済産業大臣から指定を受けた旅行業者などを通して, 利用者に対して業者は概算払いができる, ということです。
「概算払い」することができるので, 現実には予算を持っている各省庁の権限の範囲内で「サービス産業消費喚起事業」であるGoto事業を行っています。
えばGotoイートは, 経済産業省からの事務委任を受けて予算をもっている農林水産省が実際に事業を行っています。
そのため, 各Goto事業の中止も各省庁の判断で出来るとされているようです。7月末に発表されたGoToトラベルの取扱要領にも, 対象期間については「 新型コロナウィルス感染症拡大の状況を踏まえ, 給付金の給付を一時的に停止することがあります」と明記されています。
つまり, 都道府県に給付や期間の延長・一時停止などを決める権限はなく, あくまでも決定権は経済産業省から事務の委任を受けた担当省庁にあります。
Gotoイートでは農林水産省, Gotoトラベルでは国土交通省に決定権があるということです。
今回, 感染拡大が懸念されている札幌市と大阪市についても, 札幌市が「一時停止します」とみずから言っているわけではなく, 「一時除外することを国から求められれば受け入れます」と表明しているにすぎません。
それを受けて, 経済産業省が24日に札幌市と大阪市を除外する方針を正式に決定しました。
現時点では除外の期間は11月24日から12月15日までの3週間ですが, 今後の感染状況によって, 期間の見直しがあるかもしれません。
Gotoトラベルが一時除外になることに伴って, GoToトラベル対象にならないなら旅行をキャンセルする方や, そもそも感染が拡大しているからキャンセルしようと考える方も多いため, Gotoトラベルの利用者のキャンセル料を国が補償することになったようです。
現時点では札幌市と大阪市へ旅行することが一時対象外になり, 札幌市や大阪市に住んでいる方がほかの地域に旅行する場合は引き続きGoToトラベルの対象となっています。
(※放送後日, 札幌市・大阪市発の旅行も一時除外の対象となりました。)
目的地が札幌市ではなくて, ニセコや小樽など道内の他の地域が目的地であれば引き続きGotoトラベルが適用になるかと思いますが, 今後の対応を注視する必要があります。
今後の感染拡大の状況次第では, 今回の一時除外のようにGoto事業の変更や見直しが行なわれる可能性があります。
私たちもいろいろなケースを想定して, 常に現状を把握するようにこまめに報道をチェックするなど, 意識を高めましょう。
『コトニ弁護士カフェ』次回の長友隆典弁護士の担当回は, 2020年12月11日放送です!
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