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2021年の抱負と,米国大統領選挙後に思うこと

『コトニ弁護士カフェ』2021年1月15日放送分

1月も半ばを過ぎようとしていますが,改めまして2021年もどうぞよろしくお願いいたします。

新型コロナに明け暮れた2020年

2020年は新型コロナウイルス感染症が突如世界中に広がりました。
これまでの常識や生き方,考え方,いろいろなものが大きく変わり,私たちは大きな変革を求められたように感じる1年でしたね。

現在も感染者数は全国で増えており,関東をはじめ一部の都道府県では緊急事態宣言が再び発令されています。
さらに変異種が登場するなど,今年もコロナウイルスとの付き合い方について,引き続き真剣に冷静に向き合わなくてはなりません。

昨年もお伝えした通り,やみくもに恐れて何もかも自粛していては経済がどんどん衰退してしまいますので,「健康か経済か」の二択ではなく,正しい知識を持って感染を防ぎつつ経済を回していく道を模索し続けるしかありません。
ワクチンや特効薬の開発など医療体制の対応がますます進んでいくことに期待しましょう。


新型コロナウイルス感染症のために何事にも後ろ向きになったり,旅行にも行けなくなったり,人と人とのコミュニケーションが取れないことにより精神的にも不安になったり,社会に軋轢が生じたり。
インターネットの発達によって直接会わなくても仕事が出来て,コミュニケーションが取れる時代でもありますが,やはり気分的に鬱積した感覚は否めません。
また,さまざまな業界で業務縮小や倒産が相次ぎ,経済的にも苦境に陥っている方もたくさんいらっしゃると思います。

2021年は希望の年へ

2021年こそは,全ての人たちにとって希望の年になるように願っています。
私自身もこれまで以上に気を引き締めて,希望に向かって邁進していきたいと思います。

私の座右の銘のひとつに「人間万事塞翁が馬」という言葉がありますが,悪いことはいつまでも続きません。
必ず良いことが届くと信じて,希望を持って前向きに進んでいきましょう。

アメリカ連邦議会議事堂で起きた事件

話は変わって,アメリカ大統領の話題に移ります。
昨年の放送でも解説した通り,昨年11月にはアメリカ大統領選挙が行われ,次期大統領にはバイデン氏の就任が正式に決定しましたが,次期大統領を認証する本会議が開かれる2021年1月6日に驚くべき事件が起こりました。
トランプ大統領の支持者が連邦議会議事堂に乱入し一時占拠するという信じられない事態が起こり,警官1人を含めた5人の死者と多数の負傷者が発生するという,大変痛ましい事件となりました。

事件の発端は,トランプ大統領が支持者たちに「敗北は認めない,議会まで行進して米国を取り戻そう」と呼びかけ,熱狂的な支持者たちが議会に乱入して占拠するという暴挙に出てしまいました。
しかし,事件が起きるとトランプ大統領は一転してこの乱入を非難して平和的に政権移行を望むような演説動画を配信したため,大きな不信感にもつながりました。

今回の事件はアメリカという世界を牽引する経済大国,民主国家にあるまじきものだと深く受け止めなければなりません。
アメリカは恥ずべきだと,世界各国からも強く批判されていますね。

トランプ大統領の強気な態度や周囲の批判をものともしないところを,私は個人的には評価してきたのですが,この事件は本当に残念であり許されないものです。

トランプ大統領の法的責任は追求されるのか?

トランプ大統領の任期はすでに残り少ないものの,このまま任期満了させずに責任を追及しようという動きが見られます。
支持者たちに議事堂乱入を扇動したとして,民主党は1月11日にトランプ大統領に対する弾劾訴追決議案を提出しました。
これに先立って,ペンス副大統領にトランプ大統領解任を求める決議案も提出されています。

このような対応は,民主主義国家としては当然のものだと考えます。
議事堂に乱入するという国家の転覆とも言えるような行為を扇動することは許されるものではありませんので,たとえ大統領であっても,きちんとした処分を受けるべきと私は思います。

トランプ大統領のTwitterやFacebookのアカウント凍結

トランプ大統領はTwitterやFacebookのアカウントが凍結されるなど,発信の手段が制限されている状態です。
民間企業であるTwitter社やFacebook社などがトランプ大統領の個人アカウントに対して投稿の削除や永久凍結などの処置を行なったことについては, 個人的には賛成できません。

何度もご説明していますが,私たち民主主義の社会で生活する人たちにとって, 表現の自由は最も大切な権利のひとつだからです。

表現の自由は保障されるべき権利

表現の自由は憲法が定める基本的人権のひとつであり, 「公権力」による検閲や言論制限を禁止して,表現の自由を保障しています。
つまり,憲法の基本的人権,表現の自由の保証は公権力に対するものであって,民間企業に対しては効力を有しないのが原則です。
公権力である政府が個人や民間企業に対して表現を着規制するようなことをせずに自由を保障するのが憲法の役割なので、TwitterやFacebookが独自の規制や判断で利用者を制限しようが、政府は口出しすべきではないのです。

私たちは,企業が提供するプラットフォームを無料で利用させてもらっている立場なので,そのプラットフォームの中で「表現の自由!」と訴えたところで「じゃあTwitterの外で好きに発信すればいい」となるわけです。

現在の社会では,私たちはほとんどの情報をテレビや新聞などのマスメディアを通じて受け取っています。
そのため,マスメディアは公権力と変わらないほど大きな影響力を持ち,マスメディアは第4の権力と呼ばれています。

TwitterやFacebookなどの巨大なSNSは,世界中で何億人もの人たちが利用しているため,民間企業ではありますが,社会に絶大な影響力を持っています。
だからこそトランプ大統領も発信手段として積極的にSNSを活用していたのでしょう。
その規模を考えると,巨大なSNSもマスメディアと同様に公権力に近い影響力を持っていると言えるのではないでしょうか。

憲法が保障する表現の自由はマスメディアやSNSに対しても適用されるべきだと私は考えます。
巨大インターネット企業の独断によって特定の人のアカウントが停止されたり,コメントが削除されたりすることは,場合によってはその企業の意思によって世の中が動かされる可能性も否定できません。
もちろん今回のトランプ大統領のツイートのように暴動を扇動するような内容であれば,運営のポリシーに違反していると判断されて,削除の対象になる場合もあるでしょう。
しかし,トランプ大統領のアカウントを全て永久に凍結するという対応は,やや挑戦的とも捉えられます。

自由に発言できる世の中を守る

攻撃的な内容や誹謗中傷,暴動を扇動するような危険な投稿はもちろん許されませんが,自由に物を言える世の中を守ることも大切です。

鬱積した世の中,自由に言いたいことを表現できる社会をつくることも今年の抱負である「希望」に込めたいと思います。

『コトニ弁護士カフェ』次回の長友隆典弁護士の担当回は, 2021年1月29日放送です!

ラジオ番組『コトニ弁護士カフェ』
毎週金曜日10時30分から三角山放送局で放送中!
隔週で長友隆典護士&アシスタントの加藤がお送りしています。
身近な法律のお話から国際問題・時事問題,環境や海洋のお話まで,様々なテーマで約15分間トークしています。
皆様からの身近なお悩み,ご相談などのリクエストもお待ちしております。
三角山放送局 reqest@sankakuyama.co.jp または当事務所のお問い合わせフォームでも受け付けております。

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