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スキー・スノーボードでの事故 法的責任は?第2回

『コトニ弁護士カフェ』2020年1月31日放送分

スキー場での事故の法的責任について,前回の放送を聴いたリスナーの方から寄せられたリクエストに長友弁護士が回答しました。

今回はリクエストメールをいただいたのでご紹介させていただきます!

長友隆典弁護士(以下略):リクエストありがとうございます。 スキー場の事故は関心がある方が多いと実感しています。

突然ゴンドラが停止!その責任と補償は?

コトニ弁護士カフェ様
とあるスキー場でゴンドラが停まり,
救助に朝から夜までかかりました。
スキー場側は一人5万円配りましたが,私はそれは安いと思います。
受け取らず,この場合は弁護士の先生に相談したほうがいいでしょうか?

まずはそのような目に遭われてとても大変だったと思います。
これはゴンドラの管理の問題ですから自己責任にはなりませんね。
そして「一人5万円が安いかどうか」というのはちょっと簡単には判断できないですね。
ひとつずつ解説していきます。

事故と損失との因果関係の立証が必要

たとえばその日ゴンドラが止まって身動きできなかったために仕事に行けなかったとか,大事な予定を逃したとか,その事故と損失の間にはっきりとした因果関係を証明できる場合はその分の補償を求めることができるかもしれません。

あとは慰謝料ということを考えると,
寒い中に長時間閉じ込められて寒くて凍えそうだった,空腹に耐えられなかった,もう怖くてゴンドラに乗れなくなった,
閉所恐怖症になってエレベーターにも乗れなくなった・・・

そういった精神的に大きな苦痛を受ける特別な事情が認められると,慰謝料が加算される可能性はあります。

あとは,ゴンドラが止まった原因を追究して,日頃から管理が行き届いていなかったとか,救出までの経緯に明らかに不備があった場合など,スキー場に通常の過失よりも重い過失が認められるかもしれません。

見えない「苦痛」を数字に換算するには

どんな事件もそうですが,目に見えない「苦痛」を金銭である慰謝料に換算するのはすごく難しい。

さらにそれを第三者に証明するには,具体的な事実や数字を提示することが必要です。

今回のケースで「5万円という金額が高いか安いか」というのは,その事故の状況,スキー場の過失の大小,そして個人が受けた精神的な苦痛等によって異なります。
そして,事実関係や事情を考慮してその金額が妥当ではないのなら,それを証明しなければならない。
なかなか難しいです。

小さな疑問も弁護士に相談してみましょう

個々の事情によって判断は異なるので,どうしても納得いかない,疑問が残る場合は,ぜひお近くの弁護士に相談してみて欲しいと思います。

―ありがとうございました。

次回 2020年2月14日の放送では「スキー場での人と人との衝突事故」についてお話する予定です。

ラジオ番組『コトニ弁護士カフェ』
毎週金曜日10時30分から三角山放送局で放送中!
隔週で長友隆典護士&アシスタントの加藤がお送りしています。
身近な法律のお話から,国際問題・時事問題,地球やお魚の話まで,様々なテーマで約15分間トークしています。
皆様からの身近なお悩み,ご相談などのリクエストもお待ちしております。
三角山放送局 reqest@sankakuyama.co.jp または当事務所のお問い合わせフォームでも受け付けております。

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