若者を中心に被害が広がっている「闇バイト」。
最近ではSNSを通じて「簡単な作業で高収入」などと甘い誘い文句で若者を勧誘し,強盗や詐欺などの実行役として利用するケースが相次いでいます。
今回は,闇バイトの実態と見極めるポイントなどについてお話しします。
警察庁の発表によれば,首都圏でSNSで募集される闇バイトに関与した人たちを保護したケースが,2024年11月7日までのわずか3週間で46件に達しました。
その半数以上が10代から20代で,家族ごと保護されるケースもありました。
特に関東で強盗事件が頻発していますが,プレジデントオンラインの取材記事によると,被害金額は数十万から数百万円程度が多いようです。
それに対し,加害者には刑法第240条「強盗致傷罪」など非常に重い刑罰が科されます。
法定刑は無期懲役または6年以上の懲役です。
全国での被害額は2024年の上半期だけで506億円を超え,1件あたりの平均被害額が1400万円以上と大きな問題になっています。
▼参考
相次ぐ「闇バイト」強盗、応募者や家族の保護46件…警察庁「脅されても勇気出して相談を」|読売新聞
闇バイト強盗はこうして襲う家を選ぶ…「無料で屋根の点検します」と言う業者を絶対家に入れてはいけないワケ|プレジデントオンライン
「闇バイト」は,犯罪行為を目的とする仕事の募集の総称です。
SNSや掲示板などで,「簡単な作業で高収入」などと甘い言葉で勧誘されますが,応募した瞬間から犯罪の実行役として利用される危険性があります。
特に最近は「SNS型投資詐欺」や「ロマンス詐欺」といった,一見リスクが低いように思われる詐欺行為にシフトしています。
闇バイトに関わると,その内容に応じてさまざまな罪に問われる可能性があります。
受け子や出し子として詐欺行為に関与した場合,刑法第246条詐欺罪にあたり10年以下の懲役が科される可能性があります。
強盗事件に関与し,その際に相手にけがをさせた場合には,刑法240条強盗致傷罪となり,無期懲役または6年以上の懲役が科されるケースもあります。
さらに強盗致傷や強盗致死の場合は,減刑について特別な事情が認められない限り,原則として執行猶予がつかないのです。
つまり必ず実刑,すなわち刑務所に行くのが確定するのです。
また,口座の売買などが発覚した場合には,犯罪収益移転防止法違反として,1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるでしょう。
このほかにも,盗品に関する罪「刑法第256条2項盗品等有償処分あっせん罪」など,さまざまな関連犯罪に問われる可能性があります。
また,闇バイトに一度でも関わると,身分証明書を送らされたりして脅迫され,やめたくても抜けられなくなるケースもあります。
闇バイトを避けるためには,以下のようなポイントをチェックしましょう。
疑う:「1日短時間の簡単な作業で10万円」など,普通に考えてあり得ない報酬は要注意
調べる:仕事内容や会社情報が曖昧な場合は避ける
相談する:少しでも違和感を感じたら,家族や信頼できる人に相談する
まずは疑うことが大事です。
以下で要注意の募集パターンについても紹介します。
以下のような特徴がある募集には特に注意が必要です。
アルバイトを見つけるのであれば,公的機関や信頼できる求人媒体で探すほうが安全性が高いでしょう。
また,最近は友人や先輩・知人から「いいバイトがある」と誘われるケースも増えています。
断り切れず,知らずに犯罪に加担させられる場合も少なくありません。
一旦関与してしまうと抜け出すのが難しくなり,強盗致傷などの場合は刑務所行きがほぼ確定します。少しでも怪しいと感じたら,決して一人で判断せず,周囲に相談してください。
犯罪に関わらないことが,人生を守る最善の方法です。
警察庁では闇バイトに加担させないために専門ページやYoutube等を設けています。
ぜひこちらのページや動画も参考にして,闇バイトの危険性や手口を知り,闇バイトには関与しないようにしましょう。
仮に関与してしまったら,躊躇せず,警察に相談するようにしてください。
▼参考:警察庁#BAN闇バイト
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