ブログ

緊急事態宣言解除後の私たちの暮らし:コロナ疲れと心のケア

『コトニ弁護士カフェ』2020年6月5日放送分

5月25日に全国的に緊急事態宣言が解除され,多くの企業や学校も徐々に活動を再開し始めました。
引き続き新型コロナウイルス感染症への対策が求められる中,「コロナ疲れ」「感染への不安」など精神的な疲労も大きくなっています。

緊急事態宣言による自粛要請の結果

長い自粛の効果があって,新規感染者数は大幅に減りました。
札幌市でも4月に第二波のように一時期ぐっと新規感染者数が増えましたが,5月中旬以降はずっと新規感染者数は毎日1ケタです。
ただ,北九州市では小学校でクラスターが発生したこともあって徐々に感染拡大していること,そして東京でもまた1日当たりの新規感染者数が30人を超える日もあったので,まだまだ予断を許さない状況です。

ウィズコロナの時代:いかに感染を予防しながら日常生活を送るか

緊急事態宣言が解除されて通常の生活に戻れる!という期待もありながら,これまでと同じ生活に戻ることで,また繰り返し感染拡大が起こるのでは,という懸念もあります。
緊急事態宣言が解除されたといっても,コロナウイルスが消えたとか,ウイルスの感染力が弱まったわけではありませんから,気を緩めずに細心の注意を払う必要があります。

アフターコロナという言葉もありますが,当面は「ウィズコロナ」です。
コロナが存在するという前提で,いかに感染を予防して安全を守りながら日常生活を送るかというところが課題です。

「コロナ疲れ」「極度の不安」…精神的な疲労も大きい

―ウイルスに感染しないように体の安全を守ることはもちろんですが,今「心の問題」も注目を集めています。
長い自粛期間から徐々に活動が再開されていく中で,コロナ対策への不安などから精神的に参ってしまうケースもあるようです。
特に持病をお持ちの高齢者の方,小さなお子様がいるご家庭などでは,たとえ自分が軽症や無症状で感染したとしても,自分から家族に感染させてしまったらどうしようという不安が常にあります。

今回のコロナで営業自粛となって経営が大変厳しくなってしまった事業者さんもたくさんいますし,勤務先が営業縮小で収入が減ってしまった方もたくさんいますので,いつまでも自粛しているわけにもいきません。
そして緊急事態宣言が解除されて,飲食店の店内営業,スポーツジム,娯楽施設なども徐々に営業再開してきていますが,これで従業員やお客さんから感染者が出たり,クラスターなんて発生してしまったら・・という不安と常に闘いながら毎日営業していらっしゃると思います。
あとはやはり一番精神的に大変なのは,医療従事者の皆さんです。
常に感染の危険がある中で,体力的にも精神的にもギリギリになってしまうと思います。

学校再開に伴う子どもたちの心のケアも必要

子供たちの心の健康面もサポートが必要です。
学校が再開されても,子供同士は常に距離を取って,授業の内容も限定されます。
休み時間も大きな声を出せない,ボールで遊べないなど,自由が制限されます。
本来は楽しい給食の時間も,感染防止のためにみんな離れて黙って食べる,おかわりもできない・・・ということになるようです。
学校の先生方も子どもたちの安全を守るため,感染予防のために最新の注意を払って,衛生管理のために子供を注意するような機会も増えてしまうかもしれません。
そうすると子どもたちもこれまでとは違う学校のピリピリとした雰囲気に,「学校に行っても楽しくない」と感じて,学校に通うことが精神的な疲労になってしまう恐れがあります。
それから,ニュースで見たのですが,高校生のケースだったと思いますが,授業中にくしゃみをしただけで,クラス全員にジロリと見られてしまったとか。
コロナ対策で誰もが神経質になってしまうのは当然なのですが,それによって息苦しさを感じてしまいますね。

新型コロナは感染者自身も大きなショックを受ける

たとえ身近に新型コロナウイルスに感染した人が出たとしても,必要以上に恐れたりしないで,その感染した方の責任を問うようなことはせず,冷静に対処しましょう。
この新型コロナウイルス感染症は無症状で自覚症状がない方も多く,感染経路がたどれないケースもありますので,感染者ご本人にとっても身に覚えがなくて,ご本人が一番困惑されていて,周囲に申し訳ないと感じているかもしれません。

最も大切なのは,感染者の治療と感染の拡大を防ぐことです。

新型コロナウイルスに感染したことによって,感染症による身体的な症状だけでなく,感染者ご本人が精神的にも大きなショックを受けることは明らかなので,周囲の方からの心のケアも大切だと思います。
そもそもコロナだろうと何だろうと,誰かが傷つくことを言うとか,いじめみたいなことをするのは,子どもも大人もしてはいけませんね。
このような他者を思いやる心も「ウィズコロナ」では大切な要素です。

自粛要請が無くなっても,どこに行っても感染に対する不安は着いて回ります。
感染予防のためには「出かけない・誰にも会わないのが,一番安全で気持ちもラクだ!」と思う方も多いかもしれません。
今後もStayHomeがスタンダードになる中で,心のバランスを保ちながら上手に暮らしていく知恵が必要です。

―ありがとうございました。

次回の『コトニ弁護士カフェ』は, 2020年6月19日放送です!
よろしくお願いいたします。

ラジオ番組『コトニ弁護士カフェ』
毎週金曜日10時30分から三角山放送局で放送中!
隔週で長友隆典護士&アシスタントの加藤がお送りしています。
身近な法律のお話から,国際問題・時事問題,地球やお魚の話まで,様々なテーマで約15分間トークしています。
皆様からの身近なお悩み,ご相談などのリクエストもお待ちしております。
三角山放送局 reqest@sankakuyama.co.jp または当事務所のお問い合わせフォームでも受け付けております。

関連記事

  1. 夏に増える水難事故について|弁護士が解説
  2. 台風による損壊があった場合について|​​民法717条第1項及び2…
  3. 知床で発生した遊覧船沈没事故|賠償問題と責任の所在
  4. マイナンバーカードのメリット・デメリット〜法改正で何が変わる?|…
  5. パワハラの定義と対処法〜証拠保全と因果関係の立証が大事
  6. 盗まれた自転車を無断で取り返したら窃盗罪! 所有権と占有権の違…
  7. ロシアのウクライナ侵攻から1年、今後予測される事態について|国際…
  8. AIと著作権〜画像生成AIにおける法的問題について
PAGE TOP