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台湾出張レポート|日台弁護士交流と第79回弁護士節祝賀大会

『コトニ弁護士カフェ』2026年9月25日放送分

長友国際法律事務所の弁護士、長友隆典です。

2026年9月4日から7日まで、日本弁護士連合会(日弁連)の訪問団の一員として台湾を訪問しました。

今回は、台湾の弁護士会を統括する全国律師連合会(TWBA : Taiwan Bar Association)の新会館落成式と、第79回弁護士節祝賀大会に参加し、非常に意義深い訪問となりました。(台湾や中国では弁護士のことを「律師(りっし)」と呼びます)

日弁連訪問団として台湾の式典に参加

台湾では毎年9月9日を「弁護士節」と定め、弁護士制度の発展と法の支配を記念する日としています。今年は新会館の落成式に合わせて9月5日に祝賀大会が開かれ、例年以上に盛大な行事となりました。

日本と台湾の弁護士会の間では、以前から地方の弁護士会同士の交流が活発に行われていましたが、日弁連として正式に台湾を訪問するようになったのは、2023年からです。

2024年には台湾の代表団が日弁連を訪れ、今回は日弁連が台湾を訪ねる番でした。

今回は、日弁連国際交流委員会の小川晶露委員長を代表とし、複数の委員で構成されたメンバーによる公式訪問です。
今回の式典には、TWBAの李玲玲理事長をはじめ、全国各地から理事・監事・弁護士の皆さんが参加されていました。

バスや同時通訳の手配まで、すべてTWBA側が用意してくださったおかげで、日台双方の弁護士が深く意見交換できる環境が整っていました。
とても丁寧なおもてなしをいただいたことに、心から感謝しています。

1日目:憲法法庭の見学と交流会・晩餐会


9月4日の午後は、まず司法院の憲法法庭を見学しました。

台湾の司法院は日本の最高裁判所に相当する機関で、法廷はその中でも特に格式のある法廷です。
建物は日本統治時代に建てられたもので、重厚な造りが印象的でした。

法廷の中も日本の一般的な裁判所とは異なり、歴史を感じさせるつくりで、思わず見入ってしまうほどでした。
見学中は担当の方が歴史やシステムについて日本語で丁寧に説明してくださり、理解を深めることができました。

その後はバスでTWBAの新会館に移動し、16時からは交流会が始まりました。
発表者は日弁連側が私を含む4名、TWBA側も複数名で、テーマは主に両国の地方弁護士会による国際交流活動の紹介です。
私からは北海道弁護士会連合会とサハリン弁護士会連合会の交流についてお話ししました。

発表後の意見交換でも同時通訳の方が入ってくださったので、言語の壁を感じることなく活発な議論ができました。

    
交流会の後は、孫立人将軍官邸に移動して晩餐会が開かれました。

      


歴史的な雰囲気の中での会食で、李玲玲理事長からのご挨拶と記念品の贈呈があり、日弁連からは小川委員長がご挨拶されました。
 

 
台湾の弁護士さんには日本語や英語を話せる方も多く、話が尽きることなく、とても貴重な時間となりました。

2日目:落成式と祝賀大会で感じた台湾の法治

台湾訪問2日目は、今回のメインイベントであるTWBA新会館の落成式です。
台湾国内の弁護士だけでなく、ドイツ弁護士会や国際法曹協会(IBA)の代表団、そして私たち日弁連の訪問団も出席し、国際色豊かな式典となりました。


式典では、台湾の大法官(日本の最高裁判事に相当)である尤伯祥氏が「弁護士と法の支配の実践」をテーマに講演されました。

続いてIBAのSteven Richman弁護士(米国)が「法の支配の原則と弁護士会の役割」について講演されたほか、日弁連からは小川委員長が、日本の弁護士制度や裁判制度について発表されました。

午後には「法治国家の実践における弁護士の重要性」をテーマにした交流セッションも行われました。

お話を伺うなかで、台湾では人の判断ではなく法に基づいて裁判が行われ、日本と同じ価値観のもとで司法制度が運用されていることを実感しました。
また、台湾の弁護士会が〜国際的なつながりをとても大切にしていることも印象的でした。

台湾全国の弁護士が集う弁護士節祝賀大会

夕方からは台北市の中心部にあるTICC世貿会館(台北国際会議センター)に移動し、弁護士節の祝賀大会に参加しました。
祝賀大会は毎年開かれており、例年800人を超える弁護士や来賓が集まる大規模なイベントです。

豪華な料理やお酒が振る舞われ、景品や商品券が当たる抽選会やコンサートも行われるなど、大変な盛り上がりでした。

頼清徳総統もご出席され、一緒に記念撮影もさせていただきました。

価値観を共有する日台の弁護士交流をこれからも

台湾の法体系は日本統治時代の影響を受けており、民法や商法などの分野では日本法と共通する考え方が多く見られます。

一方で台湾独自の発展も遂げており、日本が学ぶべき点も多いと感じました。

台湾の法制度で特に注目したいのが、憲法の解釈や違憲審査を専門に扱う憲法法庭(憲法裁判所)です。

法律などが憲法に違反していると考える場合、日本では具体的な裁判の中で違憲かどうかが判断されますが、台湾では憲法法庭に判断を求めることができます。

ただ、憲法法庭の大法官は本来15名なのですが、総統が指名した候補者が立法院(日本の国会に相当)で否決され続けているため、7名が欠員のままとなり、現在は8名で運用されています。

司法の運営がこのように政治に左右されてしまう点には、懸念を感じました。

民主主義と法の支配を共有するパートナー

法による統治は民主主義の根本です。
それを支えるには、一党独裁ではなく、選挙によって政権が選ばれる仕組みが欠かせません。

台湾と日本は、どちらも人の意思ではなく法によって司法が運用され、法の正義が最も重視されている民主国家です。この点で、両国は共通の価値観を持っていると感じています。

個人的には次のステップとして、日弁連とTWBAの友好をさらに深め、常に意見交換ができるような仕組みを作りたいと考えています。
今回の訪問で築いたつながりを、今後の交流へとしっかりつなげていきたいと思います。

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