-2020年開催の東京オリンピックですが,マラソンと競歩を札幌で開催するという話が出ていますね。
長友:これは国際オリンピック委員会(IOC)の事実上命令のようなものなので,日本オリンピック委員会(JOC)も内々に認めているという話もあります。
選手のコンディションを最優先した決断ですね。
-夏の東京で長距離を走るのは選手たちにとって負担が大きい,というのは最初からわかっていたような気もしますが・・・
長友:きっかけは9月下旬にドーハで開催された世界陸上です。
マラソンと競歩は深夜に実施されたにもかかわらず,暑さのために棄権者が続出しました。それを受けて危機感を強めたIOCが「東京オリンピックのマラソンを札幌で」ということになったのですね。
- マラソンコースは新国立競技場から日本橋・雷門・銀座・皇居前など都内の名所を巡るようなコースが昨年5月の時点で決定していました。9月にもテストを兼ねた大会が開催されて給水ポイントが改良されるなど長期にわたり入念に準備されてきた中で,残り9ヵ月の準備期間で札幌で実現するのは難しいのでは?
長友:確かにその通り。スタートとゴールは大通公園周辺が有力という情報が出てきましたが,まだその程度です。これから雪が積もってしまうと,道の幅や状況の判断,正確な距離の測定など難しくなり,コースの設計がより困難になると言われています。
ただし,個人的には札幌開催は歓迎です!
札幌市内でマラソンが開催されることで,道内の多くの人にとってオリンピックをこの目で見るチャンスになると思っています。たくさんの人が集まることで経済効果も期待できます。
- 北海道でやるなら,富良野や十勝など北海道の雄大な自然を楽しめるコースも素敵ですよね!
長友:確かに札幌ではなく地方でやるというのも良いアイデアですね。
札幌は政令指定都市で人口は全国でも4番目。北海道最大の都市です。
北海道全体の人口は年々減っているのに,札幌の人口は増加していています。つまり北海道の人口が札幌に集中して,札幌以外の地方の人口というのは年々減少しているんです(ニセコなど例外の市町村もあります。)
私も色々な地方の町に行きますが,まずは交通の便が悪くて行くのが大変です。そしてシャッターのしまったお店が並んでいたり,歩いている人も少なかったり,寂しい雰囲気の町は実際にありますよね。
-都会だと,古い家が取り壊されるとすぐに新しい家が建って,新たに若い家族が住む・・・というように土地の活用が交代して続きますよね。田舎の場合,誰も住まなくなった家が取り壊されて空き地のまま,というのもよく見かけます。
長友:私自身も熊本の田舎から出てしまっているけれど,大都市にはどんどん人口が集中して,地方はどんどん減っていく。特に若い世代の人口減少によって,労働力の減少だけでなく,地域の文化や活力も無くなってしまいます。これは単に人口が減るというだけでなく,自治体や地方文化の生き残りがかかった深刻な問題だと思います。
どうやったら,人を呼べるのか,経済的に自立できるのか?
そう考えた時に,北海道ではやはり農林水産業に加えて「観光」が大きな柱になると考えます。
北海道の自然や環境は本当に素晴らしい。私は釣りが趣味なんすが,イワナ・アメマス・ニジマスなんか天然で釣れます。 北海道の人には普通に感じることも,私のような北海道出身ではない者からすると,本当に感動なんです。
特に近年は外国の方に人気のパウダースノーでのスキー・スノーボード,ネイチャーツアーで野生動物を見ることも北海道ならではです。ちょっと山に行くと鹿やキツネが普通にいるなんて,素敵な旅の思い出になります。牧場で飼育している馬を見るだけで感動してくれますから。
こうして挙げていくとキリがないのですが,そのぐらい北海道は本当に魅力いっぱいなんです。
-北海道は広いので,地域それぞれの魅力をバラバラに発信していては,なかなか届きにくいかもしれません。どのように魅力を発信していくのが効果的でしょうか?
小さい町がバラバラで独自に動くよりも,連合体として協力するほうが効果的と私は考えます。
例えば,後志地方の場合,積丹・岩内・寿都などがあって,外国人に人気のニセコや倶知安があります。それぞれが競合するのではなく,協力して「後志ブランド」のような形でアピールできたら良いと思います。
レジャー・宿泊・食事もそれぞれの町の特色を生かして,クーポンや交通手段など相互に協力する,Webも共同で発信するなど,広い範囲で協力しながらブランド化をしていくほうがいいのかなと思っています。
-ありがとうございました。
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