2022年のGWは,4月29日~5月8日まで11連休だった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
コロナ禍でいろいろと制限もありますが,ゆっくり旅行へ行きたいと考える人も多いはず。
業界によってはGWが繁忙期で大忙しという方も多くいらっしゃると思います。
今回は,GWの由来と祝日を定めている法律についてに解説します。
GWのはじまりは諸説あるのですが,祝日が集中する4月下旬〜5月はじめの期間,当時はラジオの時代だったため,連休中はラジオの視聴率がとても上がったと言われています。
ラジオの視聴率が高い1週間を「黄金週間」と呼ぶようになり,日本語より英語のほうがインパクトがあるのでは,ということで「Golden Week:ゴールデンウィーク」と呼ばれるようになったという説があります。
今ではこの時期の大型連休を指す言葉として広く使われています。
1948年に「国民の祝日に関する法律」が施行され,9日の祝日が制定されました。
上記9つの祝日をはじめ、現在制定されている祝日は全部で16日。
中には天皇が変わったことで天皇誕生日の日にちが変わり,それまでの天皇誕生日は名前を変えて祝日として残っているケースもあります。
現在は上記に加え,昭和天皇の誕生日が昭和の日になったほか,建国記念日,みどりの日,海の日,山の日,敬老の日,スポーツの日,そして2016年にできたばかりの山の日があります。
また,10月10日のスポーツの日は,以前は体育の日として知られていた祝日ですが,2020年からスポーツの日と呼ばれるようになりました。
背景としては,2020年に開催予定だった東京オリンピックがきっかけです。
「体育」というと学校の授業の科目のような意味合いが強く感じられるため,全国民が体を動かしてスポーツを楽しむという意味を込めてスポーツの日となりました。
なお,東京オリンピックが開催された2021年は,スケジュールの関係でスポーツの日が7月23日に移動しています。
それぞれ制定された経緯は様々ですが,現在は16日もの祝日が制定されているのです。
もともと現在の太陽暦が日本で使われるようになったのは明治時代で,それ以前は旧暦が使われていました。
旧暦に基づいて「国民のための日」というよりも,どちらかというと季節の節目を祝う日や,神社の祭礼,仏教行事などと関わっていました。
現在の国民の祝日に関する法律の第一条には次のように書かれています。
「自由と平和を求めてやまない日本国民は,美しい風習を育てつつ,よりよき社会,より豊かな生活を築きあげるために,ここに国民こぞって祝い,感謝し,又は記念する日を定め,これを「国民の祝日」と名づける」
「国民の祝日」という名前の通り,主役は「国民」なのです。
GWに対して,最近呼ばれるようになったシルバーウィークがあります。
9月の敬老の日,秋分の日と土日が連続して5連休になった2009年からそう呼ばれるようになったそうです。
5月のGWと対になるように,某企業の調査の結果から「Silver Week:シルバーウィーク」という名前で呼ばれるようになりました。
ただ,その年の暦によっては5連休にならないケースもあるため,GWと比較するとまだまだ定着していない印象です。
現在の天皇誕生日は2月23日ですが,その前は12月23日,その前は4月29日というように,新しい天皇が即位するごとに変わってきています。
天皇誕生日については,祝日に関する法律とはまた別に,定められた法律があります。
制定当初の「天皇誕生日」は,昭和天皇の誕生日である4月29日でした。
皇位継承に伴い,平成元年2月に祝日法が改正され,12月23日に改められました。
また,先のお代替わりの際には,天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)の附則によって祝日法が改正され,現在の2月23日になったのです。
天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)附則(施行期日)
第一条
平成29年法律第63号
この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
ただし、第一条並びに次項、次条、附則第八条及び附則第九条の規定は公布の日から、附則第十条及び第十一条の規定はこの法律の施行の日の翌日から施行する。
2
前項の政令を定めるに当たっては、内閣総理大臣は、あらかじめ、皇室会議の意見を聴かなければならない。
祝日は国民のための日です。
戦後に日本国憲法が制定され,国民主権・国民が国家の中心ということになり,祝日がもつ意味も変わったと言えます。
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