
先日、約7年ぶりに中国を訪れたのですが、とにかく変化が大きくて驚きを隠せませんでした。
今回のブログでは、報道やSNSでは伝わらない中国の現状をご紹介したいと思います。
中国には、仕事の出張や中国人弁護士の友人訪問も含め、以前は年に1、2回は行っていたのですが、2018年以来行く機会がなく、そのあとコロナ禍になってしまったこともあり、今回が7年ぶりの訪問となりました。
今回は青島、杭州、そして上海という3都市を訪れました。そのうち、青島と杭州は初めての訪問です。
どちらも歴史がある美しい街で、特に青島は日本でいう札幌や福岡のような「地方都市」なのですが、率直に言うと札幌や福岡よりずっと都会に感じましたし、テクノロジー面では東京よりも進んでいると感じる場面がたくさんありました。
まず驚いたのは、すべてがキャッシュレスであることです。逆に現金がNGでキャッシュレスじゃないとレストランで食事もできないくらいの徹底ぶりで、現金会計がOKのところでも、あからさまに面倒そうな顔をされてしまいました。
また、日本の大手チェーンのレストランでもロボットの店員が食事を運んでくれたりしますが、今回泊まったホテルではロボットがエレベーターに乗ってルームサービスを届けてくれるというサービスがありました。
自動運転タクシーに乗ってみたかったのですが、現在はまだ一部の限られたエリアで試験的に運用されているそうで、青島や杭州ではドライバーが運転していました。
ただし、支払いはもちろんキャッシュレス、QRコードでの支払いでした。
とても便利だったのは新幹線のチケットシステムです。完全チケットレスで、中国人は日本でいうマイナンバーカードで、外国人はパスポートで乗車できます。
私はパスポートだけで乗車でき、チケットは購入していません。
青島で乗った新幹線は、ドイツ製の新幹線をベースにした古い車種でしたが、杭州から上海への新幹線は最新型で本当にすばらしかったです。ビジネスクラス(東北新幹線でいうグランクラス)を利用したのですが、シートがフルフラットになり、お茶やお菓子のサービスもありました。
中国新幹線のビジネスクラスではお茶とお菓子がサービスされる
さらに驚いたのは、乗車する駅にビジネスクラスラウンジがあり、そこで待っていると時間になったら係員が来てホームまで連れて行ってくれるというサービスぶりです。
こういった丁寧なおもてなしは日本ではよくみられるものの、海外ではわりとドライなイメージだったのですが、中国でもそういった丁寧な接客サービスをされていて、非常に感動しました。
新幹線の予約もすごく簡単で、trip.comというサイトから予約すると、駅で何もすることなく、パスポートだけでゲートを通過できるシステムでした。
杭州の街中を車で移動した際、友人が使っていた地図アプリにもびっくりしました。行き先を設定して目的地への到着時間を教えてくれる点では、私たちが普段使っている地図アプリと同じです。中国の地図アプリ「高徳地図」は、街中の信号の情報も表示されるのです。
まず、中国というのは監視社会であり、街中は監視カメラで常に撮影されていて、すべての信号機がスマホと連携しているのです。
スマホの地図アプリで目的地をセットすると、行き先の方向を案内してくれるだけでなく、目の前にある信号があと何秒後に赤になるとか、青信号が何秒間続くかなど、すべて表示されます。
渋滞がある場合も、次の信号が何回変わるのを待ったら交差点を抜けられるかまで地図に表示されるのです。監視社会の良し悪しは別として、これは監視社会の成果とも言えますが、とにかく驚きの連続でした。
信号の情報と連携している中国の地図アプリ「高徳地図」
物価については、私が行ったのは中国でも比較的都会だったせいか、ほとんどのものが日本と同じぐらいの値段か、やや高いくらいでした。
現在、中国の1元が20円くらいですが、ラーメン一杯が普通のラーメン屋さんでも30元から50元くらい、つまり日本円で600〜1000円くらいです。ビールなども日本とほぼ同じ値段でした。
高級レストランも日本と変わらないか同じくらいで、友達の弁護士とちょっと高級な中国料理屋さんに行った際は、そんなに飲んだり食べたりしなくても二人で600元、日本円で12000円くらいでした。ブランド品などは日本より高いくらいなので、「中国は安い」というイメージはもうはるか昔のことだと認識したほうがいいでしょう。
一方で、タクシーや地下鉄などの公共交通機関は相変わらずとても安く、地下鉄は日本円で50円くらいから乗れます。タクシーもだいたい日本円で300円も払えばたいていの場所には行けますし、先ほどお話しした新幹線のビジネスクラスも、東京と静岡くらいの距離なのに日本円で5000円くらいでした。
また、街中を走る車については、中国製の電気自動車を多く見かけました。以前は日本車やヨーロッパ車が多かった印象ですが、今では日本車やヨーロッパ車はほとんど見かけませんでした。中国製の電気自動車が税制で優遇されているのが理由のようです。
緑色のナンバーが電気自動車
青島と杭州では、街全体がプロジェクションマッピングのようになっていたのも驚きました。中国の都市部ではどこでも超高層ビルがたくさん建っていますが、それを利用して超高層ビルに無数のLEDを設置し、まるで街全体をテレビの画面のようにして、電光でアトラクションをやっていました。
日本では見たことがないですし、街全体でやろうと思うとLEDの数も半端なく、それをコンピューターで管理しているわけですから、ものすごい規模だと思います。
中国の街並みといえば、以前は道路にはたくさんゴミが落ちていて、あまり綺麗じゃない印象だったのですが、それも大きく変わっていました。道路に落ちているゴミも少なく、道路や街路樹がとても綺麗に整備されていました。
現地の人々の行動についても、道ばたにゴミを捨てる、列に並ばない、公共施設でも大声で話すなど、少し言葉は良くないですが、昔は「自分勝手」という言葉が当てはまる言動が多く見られました。今はちゃんと列に並んでいたり、電車内などでのおしゃべりも少なくなり、マナー意識が向上したように感じます。
日本のマスコミやSNSだけの情報では、中国の本当の姿はわかりません。
2025年12月31日までは、30日以内の滞在であればビザなしで入国できますので、機会がありましたら、皆さんもぜひ一度訪れてみてください。
在日本中国大使館「ビザ免除措置対象国の範囲拡大に関するお知らせ」
ラジオ番組『コトニ弁護士カフェ』
毎週金曜日10時30分から三角山放送局で放送中!
隔週で長友隆典護士&アシスタントの加藤がお送りしています。
身近な法律のお話から国際問題・時事問題,環境や海洋のお話まで,様々なテーマで約15分間トークしています。
皆様からの身近なお悩み,ご相談などのリクエストもお待ちしております。
三角山放送局 reqest@sankakuyama.co.jp または当事務所のお問い合わせフォームでも受け付けております。