令和2年9月14日,自民党の総裁選が行われて新しい総理大臣が誕生しました。
第99代内閣総理大臣,菅義偉氏はどのような人物なのでしょうか?
新内閣への期待など長友隆典先生にうかがいました。
まずは総裁選の投票結果をご紹介します。
今回の自民党総裁線では,394票の議員票と,全国の党員投票は行われない代わりに各都道府県連から3票ずつ,合計535票をめぐる選挙戦でした。
結果は議員票と地方表合わせて,石破氏が68票,岸田氏が89票,そして菅義偉氏が377票という結果。菅氏の圧勝でした。
面白いのは,石破氏の地方票が42票,岸田氏が10票と地方票は石破氏の方がずっと多かったにもかかわらず,国会議員票を合わせた合計では岸田氏の方が多くなっています。
自民党内でも菅氏の圧勝を見越して,派閥では菅氏を支持しながら岸田氏に投票した国会議員が少なからずいたということではないでしょうか。
誰を2位にするかというのは今後の自民党内の権力争いにつながっていくと思われますが,石破氏の力を党内で強くしたくないという力学が働いたという見方もできます。
9月16日には新しい内閣が発足されました。
私が注目するのは,やはり北海道ですから橋本聖子氏が五輪担当大臣として留任したということでしょう。
北海道出身の方が大臣になるというのは北海道にとっても嬉しいことですし,オリンピックメダリストである橋本聖子氏が五輪担当大臣というのはぴったりのポストだと思います。
それ以外で気になっているのは河野太郎氏です。
河野氏はお父さんの河野洋平氏が自民党総裁までなられたのに総理なれなかったということで,河野太郎氏は総理になりたいという強い気持ちがあると推測します。
今回のポストは行政改革担当大臣で,2回目の就任です。
外務大臣,防衛大臣ときて2回目の行革担当大臣ですが,一度も大臣になれない政治家がいる中で,このように連続で大臣を任されるのはすごいことです。
デジタル庁の創設を検討されるなど改革が趣味という菅総理にとって,行革担当大臣は信頼できる人物を就けたのだと思います。
一番注目していたのは,誰が官房長官になるかということでした。
今回,加藤前厚生労働大臣が官房長官になりました。
「官房長官といえば菅氏」と言われるほど,7年以上も安倍前総理と一緒に菅総理が官房長官を務めてきたわけで,重責だと思います。
菅総理はこれまで記者会見の受け答えも的確で安定していました。そんな菅総理が選ぶ方なので,加藤氏はそれだけ頼りになる方なのでしょう。
端的にいうと信念の方です。
日本の政治家の半分ぐらいは世襲議員と言われていて,親や親戚が議員で政治家になる人がとても多いです。
安倍前総理も麻生太郎氏もそうですし,あとは小泉進次郎氏も有名です。
政治家の家系図を見ると意外なところで意外な人と繋がったりしていて,面白いです。
この菅総理という方は,世襲ではなくまったくの叩き上げでゼロから政治家になる道を目指した方です。
秋田のイチゴ農家の出身で,高校卒業後に上京。
はじめはなんと段ボール工場で働いていたそうです!
その後大学進学を目指して,昼夜アルバイトをしながら受験勉強をして,一番授業料が安かったという理由で法政大学に進学しました。(法政大学卒業の初の総理大臣でもあります。)
大学時代もアルバイトをかけもちして,生活費と学費を稼ぎながら勉学に励んでいたという,なかなか苦労と努力をされた方なのがわかります。
私個人としては非常に期待が大きいです。
菅総理の考えや信念を貫く姿勢はなかなか真似できないと思いますし,勉強会や政財界との面会を通じて,根拠や情報を仕入れた上で行動している方です。
おそらく,安倍前総理の政策を承継するということになるでしょう。
衆議院選挙は来年の秋までに実施することになりますが,タイミングとしてはこの秋しかないかもしれません。
かつて麻生内閣のときに解散をしなかったばっかりに支持率が落ちて選挙で負けたということもあるので,この秋の解散総選挙はあり得ると私は考えています。
それから,やはり来年のオリンピックです。
オリンピックに向けてコロナ対策をしっかりしていただくのは当然期待します。
菅総理は地方出身,さらには農家出身ということもあり,地方創生にもっと力を入れて欲しいと考えます。ふるさと納税を推し進めてきたのは菅総理であったことは言うまでもなく,これまでも地方に優しい政策を進めてきました。
特に北海道はどの自治体も苦しい状況に変わりはないので,ぜひ過疎地域の振興に力を入れて欲しいです。
『コトニ弁護士カフェ』次回の長友隆典弁護士の担当回は, 2020年10月2日放送です!
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