
こんにちは、水産庁出身弁護士・水産業経営アドバイザーの長友隆典です。
「品質が高い魚なのに、なかなか値段に反映されない。
水産業に関わる方から、こんな声をよく耳にします。
獲れた魚をそのまま市場に出すだけでは、値段の主導権は買い手側にあります。
漁獲量が減っても、燃料費が上がっても、価格交渉の余地がなく、買い叩かれてしまう。
これが、多くの漁業者・水産会社が直面してきた現実です。
この構造を変えようとする動きが、「第6次産業化」です。
水産庁もこれを重要政策の一つとして推進しています。

第6次産業化とは、生産(1次)・加工(2次)・販売やサービス(3次)を掛け合わせ、一体的な付加価値の向上と、価値の連鎖(バリューチェーン)の構築を目指す仕組みです。1×2×3=6になることから、「第6次」産業と呼ばれています。
水産業で言えば、魚を獲るだけでなく、自分たちで加工・パッケージ化し、直販や飲食・観光と組み合わせて届けることで、自分たちで価格のコントロールができるようになります。
こうした取り組みを支援するため、水産庁では施設整備や販路開拓に使える補助事業を複数用意しており、各地の漁協や水産会社の活用を促しています。
第6次産業化の現場では、実際にどんなことが行われているのでしょうか。代表的な取り組みを見てみましょう。
共通しているのは、「魚を売る」から「体験・価値を売る」への発想の転換です。
消費者との接点を増やすほど、ブランドへの共感が高まり、リピーターがつきやすくなります。
第6次産業化に取り組む事業者が増えた結果、単純に「加工品をつくれば売れる」という時代は終わりつつあります。
産直サイトや道の駅には、全国各地の水産加工品が並んでいます。
その中で選ばれるためには、商品の品質だけでなく、「なぜこの産地なのか」「誰がどうやって作っているのか」というストーリーを伝えるブランディングが不可欠です。
ブランディングとは、自分たちの強みや価値を言語化し、ターゲットとなる顧客に一貫して発信し続けることです。
価格競争から抜け出し、「この産地のこれが欲しい!」と指名買いされる関係をつくることが、最終的なゴールです。
ブランディングを進める際には、法務面の整備も同時に考える必要があります。
せっかく産地ブランドを育てても、商標登録をしていないと、後から他者に使われるリスクがあります。
また、直販や外食事業など別事業を展開するには、取引先との契約・表示ルール・労務管理など、新たな法的課題に直面するかもしれません。
「第6次産業化を進めたいが、どこから手をつければいいかわからない」「制度の活用方法を知りたい」「商標や契約まわりを整理したい」といったご相談は、ぜひお気軽にお声がけください。
わたくし長友は、水産業経営アドバイザーとして、毎月水産業ブランディングセミナーを開催しております。ご興味のある方はぜひお申し込みください。

https://peatix.com/group/16524258
▼長友隆典 編著 「水産業法務のすべて」はこちらから
水産業法務のすべて – 民事法研究会長友隆典編著
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▼参考サイト
農林水産省「6次産業化」:https://www.maff.go.jp/j/nousin/inobe/6jika/index.html
水産庁「水産基本計画」:https://www.jfa.maff.go.jp/j/policy/kihon_keikaku/
水産庁「海業の推進」:https://www.jfa.maff.go.jp/j/keikaku/230718.html