
先日,日本弁護士連合会の国際交流委員会の活動の一環で,フィジーを訪れました。
私にとってフィジー訪問は人生で2回目だったのですが,24年ぶりの訪問となりました。
今回のブログでは,日弁連の国際交流員会の活動の紹介と,フィジーでの体験をまとめたいと思います。
今回のフィジー出張は,日本弁護士連合会,いわゆる日弁連の国際交流委員会の活動の一環で,フィジー弁護士会との友好と交流が目的です。
日弁連では,法に基づく正義を世界的に実現するために,世界の弁護士会との友好・交流を進めています。
日弁連の国際交流委員会は,日弁連における国際交流の役割をになっていますが,その主たる活動は外国の司法制度・法曹の動向などに関する調査・研究,情報交換・交流(国際交流)や開発途上国への立法・法曹養成援助、人権・人道活動の参加、国際機関への人材派遣(法整備支援)などを行なっており,その一環として例えば外国の弁護士会との意見交換をしたり,人権の保護や法の公正な運用に関する共同声明を出したりしています。
国際交流委員会の活動内容や実績は日弁連のWebページにも紹介されていますので,ぜひこちらをご参照ください。
日弁連の国際交流活動について
https://www.nichibenren.or.jp/activity/international/interchange.html
現在,日本からフィジーは週に2本しか飛行機がないため,飛行機の都合で会議から3日ほど早く到着しました。
最初はマナ島という離島で数日間ワーケーションをして過ごし,それから首都のスバに3日間滞在しました。
マナ島は白い砂浜に囲まれた珊瑚礁の島です。
海の透明度が高く,透き通った海の中を泳ぐ魚たちの姿がはっきりと見えるほどで,その美しさに心が癒やされました。
一度24年前にもこの島を訪れたことがあり,海の美しさも当時と変わっていませんでしたね。
またこうして来られたのが本当に嬉しかったです。
マナ島への移動は,リゾート地ということもあって,リゾート用の大きなボートで乗り込みました。
豪華な船で揺れることもなくあっという間に到着しました。
ただし,とても料金が高いので,帰りはどうするか考えていましたら,現地の方やバックパッカーの旅行者が日本の漁船のような小型船で上陸しているのに気がつきました。
そこで帰りは漁船のようなボートをチャーターして,途中で合流した他の弁護士と一緒に小型ボートに乗りましたが,屋根もついておらず,また,沖合は思ったよりも波がとても高く,びしょびしょになるだけならいいのですが、小型ボートがひっくり返るのではないかと思ってひやひやしました。
さらに,港に連れて行ってくれるのかと思ったら,街から離れた砂浜で下ろされてしまいました。
それもまた思い出です。
引用:https://www.airportsfiji.com/
日本はフィジーが独立した1970年に外交をスタートし,友好関係を築いてきました。
今回驚いたのが,フィジーのナンディ国際空港の設備のあちこちに小さな日の丸のシールが貼ってあったことです。
どうやら日本の支援で整備されたことを示しているそうで,日本とフィジーの結びつきを感じました。
市街地を走る車を見ると,フィジーは左側通行ということもあり,日本車の割合が非常に高いことがわかります。
船や船の部品なども日本製のものが多く,日本の優れた技術や製品が浸透していると感じました。
一般的なフィジーの人たちの主食は,キャッサバやタロイモなどを使った料理なのですが,レストランなどではあまり食べることがありません。
外食となると,かつてイギリスの植民地だったこともあり,フィッシュアンドチップスのような料理が多いです。
また,首都のスバではインド料理店も多く,まず到着した日はインド料理店でカレーを食べました。
実は,フィジーの人口の40%くらいはインド系の人々です。
その理由は少し悲しい歴史の話になりますが,フィジーがイギリスの植民地だったときに労働者として連れて来られたインド系の人々が,そのままフィジーに定着したことが挙げられています。
今回は日弁連の活動の一環でフィジーを訪れましたが,フィジー弁護士会の皆さんがとてもあたたかく歓迎してくださいました。
裁判所や法務省などにも案内していただいたり,フィジーの法律制度を勉強する機会もいただき,皆さんと友好を深めることができました。
フィジーの弁護士会(Fiji Law Sociery (FLS))は日本でいう日弁連に相当する団体ですが,元々は日弁連と同じように法律で定められた強制加入団体だったそうです。
しかしながら,度重なる法律改正やクーデターもあり,さらにフィジー政府による弁護士会の影響力を小さくたいという思惑もあってか,強制加入団体ではなくなり,現在ではフィジー国内全体で弁護士は2366人いるうち320人しか加入していないそうです。
また,日本では弁護士会には自治権があり,例えば弁護士懲戒は各弁護士会が行いますが,フィジーでは弁護士懲戒は独立した組織として設立された組織である「Independent Legal Services Commission (ILSC)」が行うようになっています。その組織の方の説明によると,その方が公平であるということでしたが,考え方にも一理はあると思った次第です。
弁護士の資格の管理についても,弁護士会であるFLSが行っているのではなく,「Chief Registrar’s Office」というところが集権的に行っているということでした。
一方で,フィジーでも日本でいう法テラスのような組織として「Legal Aid Commission」があり,離島や地方でも弁護士が必要な時は無料で弁護士がすぐに駆けつけることができるように整備されているということでした。
フィジー弁護士会の弁護士の皆さんも法による正義の実現や困った方のために寄り添うということを実現されていて共感するとともに,その活動に尊敬の念を感じざるを得ませんでした。
フィジー弁護士会の方々とは勉強会や意見交換だけではなく,歓迎会も催していただき,ざっくばらんな交流を行うことができました。
フィジーの方々はみなさん明るく,食事をしながらも本当に楽しく過ごすことができました。
また,離島などのローカルの人々も他人でも会ったら「ボラ」という日本語でいう「こんにちは」にあたる挨拶を笑顔で交わして,気持ちがよく過ごせたのも良い思い出です。
加えてフィジーの大使館の方々やJICAの皆様,そしてビジネスを展開されている日本人の方々にもお会いし,地元に根付いて親鸞関係を築きながらお仕事されている姿は,尊敬するばかりです。
人と人との交流は,争いごとを防ぎ国と国が仲良くするために最も有効な手段だと思います。
あらためて国際交流の大切さを実感しましたフィジー訪問となりました。
フィジーはとても素晴らしい国です。
直行便は少なくなりましたが,かつては日本からの新婚旅行などで賑わったこともあったそうです。
皆様にもぜひ訪問して,その素晴らしさを体験していただきたいです。
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